「高校生のための金曜特別講座」 冬学期(2008) 予定表
10月3日(金)   山本 泰(国際社会科学専攻)   市場経済は生き残れるか?
10月10日(金)   秋山 仁(東海大学教育開発研究所)   定理探しの実況中継ー多面体の考察ー

10月24日(金)   岡田 猛   篠原 猛史   behind the seen アート創作の舞台裏
10月31日(金)   能登路 雅子(地域文化研究専攻)   ディズニー文化の地域性とグローバリゼーション
11月7日(金)   竹内 昌治(生産技術研究所)   サイボーグはできるか?
        ー生体分子と機械の融合ー
12月19日(金)

  鈴木 秀幸(生産技術研究所

  数理モデリング:世の中を数学で探求する  
1月9日(金)   広松 毅(国際社会科専攻)   統計とは何だろう?ー社会を測る  
1月23日(金)

  工藤 一秋(生産技術研究所

  生体は精密化学工場ーどこまで迫れるか?  
1月30日(金)   木畑 洋一
  (アメリカ太平洋地域研究センター)
  世界史のなかのヨーロッパ統合  
2月6日(金)   ラマール・クリスティーン
  (言語情報科学専攻)
  中国語って日本語に似てる?
     ーはじめての人のための言語類型論ー
 
⑤  サイボーグはできるか?ー生体分子と機械のの融合ー 11月7日(金)


11月7日(第5回)「サイボーグはできるか?~生体分子と機械の融合から」の受講状況は以下の通りです。

中学3年生12名、高校1年生9名、高校2年生1名 合計22名でした。 

今回は、竹内昌治先生から、ナノバイオテクノロジーに関する話をしていただきました。

日本が誇れる「ものづくり」の分野の研究であり、しかも「生命とは何か」「生き物を作れるか」といったテーマにせまる話でした。M

EMS(Micro Electro Mechanical Systems)といったシステムにより、①神経と機械を結ぶ ②細胞と機械を結ぶ ③タンパク質

と機械を結ぶ という働きで、生体と融合するという研究は、今後、医学の世界での貢献も期待されるところです。

最先端の技術の内容でありながら現実味のある話で、生徒達は、興味深さを感じながら、しかも、これからの技術進歩を担う世代

として、その責任も感じながら聞いていたようです。

11月7日受講生徒の感想

①中3 男子

今日の講義で講演されたものは想像していたものとかけ離れていて、少し戸惑いを感じました。インターフェースと繋ぐということに

ついてですが、細胞単位で微小な機械と融合ということに関して大変驚いたとともに、感心し納得しました。

②中3 女子

MEMSを応用して電気刺激を人体に与えることで失われた感覚や運動能力、コミュニケーション力などの提示、再建が可能…非

常に衝撃的でした。

また、細胞を道具のように扱う細胞具。医療現場、特に移植手術に使われていることですが、細胞をこのように扱えるのはスゴイと

思いました。神経の成長を誘導かまでする細胞のビーズはかなり合理的だと思います。

④  ディズニー文化の地域性とグローバリゼーション 10月31日(金)
 10月31日(第4回)「ディズニー文化の地域性とグローバリゼーション」の受講状況は以下の通りです。

  中学3年生16名、高校1年生11名、高校2年生2名 合計29名でした。

  今回は、以下の2つの内容を、能登路雅子先生(大学院総合文化研究科教授)から、楽しく聞かせていただきました。

  ① ディズニー文化のアメリカ性を知る手がかりとして、ディズニー独自の自然、歴史の表象について考察する。

  ② ディズニーのテーマ化の手法やコントロールの概念が現代社会のあり方や私たちの日常生活に及ぼしている広範な影響

力について検討し、大衆文化を研究する意味を考える。講義の途中には、実際にディズニー作品を見ることができ、先生ご自身

の考察を納得しながら聞くことができました。

  10月31日受講生徒の感想

①中3 男子

  ディズニーのテーマ化の手法やコントロールの概念が現代社会の在り方や私たちの日常生活に及ぼしている広範な影響力に

ついて検討し、大衆文化を研究する意味を考えることで、ますますディズニーに対する興味が深まりました。

②中3 女子

  これまで単に楽しくて明るいと思っていただけのディズニー映画ですが、結構批判もあったんだなと思いました。確かに映画は

明るいけど、よく考えると現実とかけ離れている部分があると思います。また、映画の内容も歴史的観念に基づいており、観る人

からは批判もあったそうです。映画ではどうしても現実をそのまま表現するのは無理だとおもいますが、これから映画を観るときは

映画に映し出されていることをそのまま受け入れるのではなく、他の観点からも考えてみるようにしたいです。

③中3 女子

  ただの映画だけで、今の世の中がいろいろと影響されていることにとても驚きました。ミッキーもただの陽気な可愛いキャラクタ

ーとしか思っていなかったけれど、このキャラクターの性格の変化にその時代のことなどが、かなり反映されているんだなぁと思い

ました。
③  behind the seen アート創作の舞台裏 10月24日(金)
 10月24日(第3回)「behind the seen アート創作の舞台裏」の受講状況は以下の通りです。

  中学3年生14名、高校1年生5名、高校2年生4名 合計23名でした。今回は、美術家の創作活動という大きなテーマを話して

いただきました。まず、現代美術家でいらっしゃる篠原猛史先生から具体的な活動をもとにしながらのお話を受けて、その続きと

して、芸術に携わる創作活動の過程を検討・研究なさっていらっしゃる岡田猛先生(東京大学情報学環 教育学研究科)の説明

を伺うことができました。

  篠原先生の具体的な画家としてのお話からは、創作活動をする者の感性を深く感じることができ、また、岡田先生の研究は、

創作活動を単に感覚的なものとして捉えるのではなく、その創作的熟達におけるフェーズの存在を分析するといった、興味深い

観点を知ることができました。

  修学旅行やにこにこウォーキングの行事を翌日に控えた日程でしたが、参加した生徒たちは熱心に聞いていたようです。

 

10月24日受講生徒の感想

①中3 女子

  常に自己を見つめて作品をつくる美術家というのは、とても大変なのではないかと思いました。また今日の講師の先生がおっし

ゃっていた人生観がとても胸に響きました。確かに、現実を綺麗な面だけ見てしまう傾向にあります。私はまだまだ見たことのある

ものは少ないので、これからはもっと色々なものを見ていきたいです。

②中3 女子

  今日の話を聞いて「言葉じゃなくても伝えることが出来る」という言葉が深く印象に残りました。お話の中でよく「創造」という言葉

が出てきました。「誰かの物まねにならない」、「自分を大切にする」、「個性を出す」ということでした。作品をつくるのに息詰まるこ

ともあるそうです。でも、そのときにしっかり耐えて、それを乗り越えることが作品を造る時だけでなく、人生の中でも大切なのでは

ないかと思いました。

③高1 女子

  私たちは美術作品の完成した姿をいつも見ているが、完成するまでの過程を見るのも面白いことだと思う、一つのテーマを決

めて取り組むとき、いろんな手段・方法を使って創作するとおっしゃっていたが、これは一つの解を求めるのに方法がいくつかあ

る数学に似ていると思った。
② 定理探しの実況中継ー多面体の考察ー 10月10日(金)
 10日(第2回)「定理探しの実況中継 ―多面体の考察― 」の受講状況は以下の通りです。

  中学3年生17名、高校1年生6名、合計23名でした。

  今回はテレビなどでも有名な秋山仁先生による講演で、正四面体の構造を中心に面白くかつ熱心に話され予定時間を上回

るほどでしたが、生徒たちは興味深く聞くことができていたようです。正四面体を無作為に切り取ったものが、その後パズルのよう

にあてはまっていく様子や空間多面体が集積し埋め尽くす様子などが多くの映像とともに示され、とても楽しい時間でした。

  (内容)

  ・数学の研究法- ① 身近な不思議を見付ける。 ② 結論がこうなったらいいなと夢を描く。 ③ 実験で予想を立てる。

              ④ 一般化する。⑤ 説明の工夫。 ⑥ 結果を体系的に整理する。

  ・ 空間充填立体とそのアトム,平面充填図形・ダブル充填図形としての四面体

  (受講生徒の感想)

  ・簡単な例えや実際に実験をしたりしてとても面白かった。会場の人々にも分かるように様々な工夫をしてくれていた。

  ・ 身近にあるものから色々な疑問を抱き、それを解決するように研究して、簡単に説明するという秋山先生の姿勢に感動しまし

  た。

  ・ 菱形十二面体が直方体になったり、四面体を切るとタイルになることは驚いた。立体は数学の中で苦手な分野だけどこれを

   機会に好きになれた。
① 市場経済は生き残れるか? 10月3日(金)
 東京大学主催「高校生のための金曜特別講座」冬学期が始まりました。

  10月3日(第1回)「市場経済は生き残れるか ?」の受講状況は以下の通りです。

  中学3年生8名、高校1年生4名、高校2年生1名、合計13名でした。

  今回の内容は、経済学という学問が何であるか、ということから始まって、現代社会の中で起こっている経済界におけ る様々な

事柄(レーマンブラザーズの破綻・ウォール街の金融危機・偽装食品の問題・NPO活動など)を通して見えて くることを講義して

いただきました。

  人間社会におけるモノのやりとりとしては、「互酬・交換・再分配」の原則がありますが、現在は、この3つの中で、「交 換」の市

場経済が暴走しているという問題が挙げられ、今後は、「新しい市民社会」のあり方として、「互酬」「再分配」と いったものとのバラ

ンスを取らなければいけないのではないか、という意見を述べておられました。

  冬学期になってからは、人数こそ少ないですが、参加した皆さんはプリントの表裏を使って、熱心にメモを取りながら 聞いてい

たようです。今後もまた、多くの生徒の皆さんが受講してくださることを期待しています。

  10月3日受講生徒の感想

①中3 男子

  僕は経済の仕組みについていつも疑問に思っていました。しかし、サモアみたいな経済の仕組みを聞いてびっくりし ました。こ

の国は経済の交換ではなく、儀礼の経済である贈与でおこなわれることはとても勉強になりました。機械によ る生産でお金や労

働力が必要になったことも勉強になりました。経済は世界共通に成り立っています。自分たちにとっ ても関係があります。この講

座を聞いて、経済について詳しく調べていきたいと思いました。

②中3 男子

  市場経済のニュースや新聞で何回か聞いたことはあるのだが、本当にところは何のことだかさっぱりわからなかった。 しかし今

回で3回目となる東大講座の「市場経済は生き残れるか」を聞いて驚きの連続だった。古代ギリシャで始まった オイコスが現在の

エコノミー経済になったこと、資本主義体制が完成したのは疑似商品が市場に出回ったということ、現 在市場経済が危機にさらさ

れているが解決手段は過去にあるのではないだろうか。

③高1 男子

  人と人との結びつきから経済を見るのは新鮮だった。現代の「交換」の行き過ぎから生まれたサブプライム・ローン問 題や食品

偽造。その中で贈与・互酬といった目に見える関係。それはボーダレスに広がった市場が国家を上回る現象 。グローバル化の

中で目に見える“市民”関係、NGOの活動が典型的な例だと思う。市場経済の行き過ぎが露呈した 今こそが見直すチャンスだと

思う。
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